AND OR

    

 

2007/11/17 平成19年度大野川河川シンポジウム

 

第1回アジア太平洋参加イベントとして、「大野川水のたび」を終えて、大分大学留学生・学生・大野川の仲間と一緒に河童小屋で「平成19年度大野川河川シンポジウム」を開催しました。(参加人数69名)
鮎・おでん・焼き芋・おにぎりを皆でつくり、楽しい交流会を開催しました。ヨーロッパ、アメリカ、アジア各国から参加した皆さんも、日本食に満足していただき、うれしかったですね。
小屋の中では、日本茶の作法を学びながら、しばし旅の疲れを癒していただきました。
日が落ちてからは、「犬江釜峡女太鼓」の皆さんの指導を受けて、和太鼓の競演です。笑顔が絶えず、素敵な交流ができました。
大分大学の川野田實夫先生とNPO法人河童倶楽部事務局長の幸野敏治さんから、水のこと、川のこと、大野川のことについてのお話がありました。言葉が通じたのでしょう、皆さんは興味深く話を聞いていました。
川野田實夫先生より:

皆さんへ
ようこそ、私たちが企画しました大野川、川の旅に参加してくださいました。大野川は祖母山、宮崎県に源を発して別府湾に注ぐ、長さ107キロメートル、流域面積は1465平方キロメートル、流域の人口は約20万人で、大分県で一番大きな川です。この”旅”を企画しました大野川流域懇談会の人たちは、この、河童さんこと幸野さんに代表されるように、大野川が大好きな人たちの集まりです。こんな素晴しい大野川ですが、悲しい歴史もありました。日本中に公害と呼ばれる原因がはっきりした環境問題があった頃です。大野川の支流奥岳川では錫や銅を採掘していた鉱山廃水によって砒素やカドミウムに汚染されました。大野川河口部分もパルプ工場の排水で汚染されたり、分派河川の乙津川では有機水銀も検出されたことがあり、大きな社会問題になったのです。上流域や支流の川でも農薬や生活排水によってホタルがすむことの出来ない川になったところもありました。しかし荒廃した川も”白山川を守る会”の活動に代表して見られるように、そこで生活している人々が協力して立ち上がり、きれいな水と、人々の心のつながりを取り戻してきたのです。その結果が大野川ネットワーキングだったり大野川流域懇談会なのです。
 大野川の特徴を少しお話します。この川の上、中流域の大部分の地質は阿蘇溶結凝灰岩と呼ばれるものです。水がしみ込み易い性質がありますから、降った雨が地中に貯えられ易いのです。この地質ではない祖母山や傾山は原生林に覆われています。森がしっかりしたところも降った雨を地下に貯えます。大野川の大きさは日本で3,4十番ですが、渇水流量(雨が最も少ない時の流量)は私が調べた結果ですが、8番目でした。これは大野川が優れた河川であることを証明するものです。
この溶結凝灰岩は一度流れ出して冷えかかった溶岩が再び加熱されて、冷えて固まったものですから、色々な景色を作り出しています。板状の割れ目、柱のような割れ目をそれぞれ板状節理、柱状節理と呼びます。沈堕の滝や原尻の滝の誕生も阿蘇溶結凝灰岩とおおいなる関係があります。この岩石比較的容易に水と化学反応を起して岩石中の成分を水に溶かし出します。大野川は岩石の成分であるケイ酸濃度がとても高く40ミリグラム/ℓ以上もあります。これはヨーロッパのライン川やアメリカのミシシッピー川の4,5十倍の濃度です。ケイ酸は栄養塩の一種です。この岩石にはリンも比較的多く含まれています。リンも栄養塩です。大野川の水にはカリウムも一定量含まれています。このように大野川は栄養に富んだ水でありますから、50年前までは鶴崎で海苔の生産が盛んでした。
大野川の水は栄養に優れた水です。人間も栄養を取りすぎますと病気になりやすくなります。大野川の水も瀬と淵を流れながら運動している間は健康ですが、ひとたびダムでも作って長ーく貯めていると病気になりやすくなります。以上、大野川のお話でした。